ナレーター・ITエンジニア 渡部龍朗のウェブサイトです

Welcome
はじめまして。ナレーターの渡部龍朗(わたなべ たつお)です。
ITエンジニアとしての経験を活かし、オーディオブック関連のアプリ開発や、技術書・IT分野のナレーションなど、テクノロジーと声の表現を融合させた活動に取り組んでいきたいと考えています。
「聴く体験」をより豊かに、そしてより身近に届けることを目指して、挑戦を続けていきます。
Podcast – 宮沢賢治朗読集

Audibleで数々の文学作品を朗読してきたナレーター 渡部龍朗(わたなべたつお) が、宮沢賢治作品の朗読全集の完成を目指し、一編ずつ心を込めてお届けするポッドキャスト。
▼ 朗読音声とテキストがリアルタイムで同期する新体験オーディオブックアプリ「渡部龍朗の宮沢賢治朗読集」iOS版 / Android版 公開中 ▼
【iOS】https://apps.apple.com/ja/app/id6746703721
【Android】https://play.google.com/store/apps/details?id=info.watasei.tatsuonomiyazawakenjiroudokushu
幻想的で美しい宮沢賢治の言葉を、耳で楽しむひとときを。
物語の息遣いを感じながら、声に乗せて広がる世界をお楽しみください。
📖『二人の役人』朗読 – 萱の穂の光る九月の野原と、きのこをさがす日曜の朝🌾🍄
静かに語られる物語の世界へようこそ。今回お届けするのは、宮沢賢治の『二人の役人』。
九月の野原は、草の穂と小さな林とでいっぱいでした。私は藤原慶次郎といっしょに、毎日そこへきのこや栗をとりに出かけます。ある日曜の朝、いつもの入口まで来ると、白い立札が一本立っていて、きょうはえらい人が来るから中へ入ってはいけない、と書いてありました。
それでも二人は、そのえらい人の顔を見てやろうと、野原でいちばん奇麗な林まで走って行き、草のなかにかくれます。待っていても人の来る気配はなく、こわさはいつのまにか薄れて、二人はきのこをさがしはじめました。そこへ慶次郎が耳もとで、来たよ、と云うのです。草の間からすかして見ると、二人の役人が、みちを外れてこちらへまっすぐ近づいて来るところでした。
つかまるものと覚悟した二人は、とったきのこをそっと棄てます。ところが役人たちは、子どもらのいることに気づきもしないで林の前に立ちどまり、かかえてきた袋の口を解きはじめるのでした。
草のなかにひそんでいるあいだ、聞こえてくるのは大人たちの声ばかりです。息もつまるようだった時間は、その声とともにだんだんほどけていきます。はんのきの下には日ざしが点々と落ちて、九月の光はどこまでも明るいのです。
いまその野原は、畑や練兵場になっています。それよりもっと立派だったころの、青い萱と栗の木の林にみたされた九月の一日を、朗読でじっくりとお楽しみください。
#少年 #冒険
